落ち着きとざわつきの間

心が落ち着いていると、リラックスしていて物事に柔軟に対応できると言われている。
そうはいっても、常に落ち着いていて、心が全く乱れないというのは生きているうちはちょっと無理。
全く心が乱れないという人はいるのだろうか。
「落ち着いていなければならない、心が乱れてはいけない」という考えに縛られると、逆に落ち着くことができなくなりそうだ。
「心が乱れた状態になっても、元に戻せばよい」と考えて生活していると、かなり気楽にいられる。
心が乱れないというのは難しいかもしれないけれども、落ち着いている状態を知っていれば戻すことはできる。
心身統一合氣道では、落ち着いた状態を「一点がしずまっている」と言う。
私の理解だと、一点とは意識が向いている部分で、この一点が臍下丹田と言われる部分に向いているときが落ち着いている状態と言われているようだ。
私の場合、日常生活で心を乱されてしまう事柄によく出会ってしまう。
そうすると、一気に一点があらぬところに行ってしまう。
例えば、カーっとして頭にくる、ムカムカとして胸にくるなどだ。
その時に元の落ち着いた状態、つまり下腹に一点を戻す。
心を戻すのが難しいなら、身体に注目して、身体の状態を元に戻す。
カーっと頭に来てしまったら、その感覚を下腹に下げていく。
ムカムカと胸のあたりに来てしまったら、同じくその感覚を下腹に下げるように身体を操作する。
イライラしても、ドキドキしても、ざわざわしても、そわそわしても同じように身体を操作する。
これによって、そういった感覚は不思議と消失する。
感情が治まらない時は、まだ一点が下腹に治まっていないときだ。
一点を下腹に治めると、ネガティブな状態を引きずらないで済ませることができる。
ネガティブな感情を引きずることが不幸への道。
だから、身体操作でその道を断ち切る。
常に一点、一点、一点・・・をやっていく。
その先に、落ち着いた時間帯が多くを占める、リラックスした生活が待っている。

 

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